2016年1月23日土曜日

バス事故の多発は小泉内閣時の規制緩和が開花したとしか言えません

一昨日、今年のバス事故を上げた矢先、また昨夜、仙台で
回送中の路線バスが田んぼに転落する事故がありました。
乗務員は朝から眠気があったと居眠り運転の証言をして
います。

1月18日の「安全にお金が必用な理由」で人件費だけを
あげました。
その他にお金を必用とするものに、健康診断、適性検査と
研修があります。この3点のうち必須なのは前の2項目で
研修に関しては、各社様々で特に義務はありません。
今回の仙台の事故は健康診断に問題があったと思います。

健康診断は一般企業がおこなう、普通の健康診断以外に
最近は無呼吸症候群の検査も行うよう奨励されています。
これらの検査結果から、数値に異常がみられる場合は、
たとえ乗務員が体調は悪くないと主張しても、治療をさせて
経過報告を受けるのも運行管理者の仕事です。場合によって
は乗務をさせてはいけません。

「乗務をさせてはいけません」と簡単に言いましたが
たとえば事前に健康状態が悪いことを知って、乗務をさせない
のであればいいのですが、たとえば早朝に出社点呼する際
体調不良であれば、どうすればよいのでしょうか?
人員に余裕のあるバス会社ならば、予備乗務員がいて
その乗務員を代わりに乗務させて運行できますが、
小規模のバス会社では社長自らバスに乗務する繁忙期は
無理に乗務させるしか方法はありません。
具体的には、公表されていませんが、運行当日の朝の点呼で
アルコールチェックにひっかかり乗務できない乗務員がでる
ことは、現実的におこっています。

適性診断というのは運転に適性しているかを外部機関で
テストをうけることで、その結果を運行管理者が分析し
乗務員に事故が起こさない為のカウンセリングをすることです。
外部でテストを受けるため、バスに乗務しないのに、乗務員を
出社させる必要があります。酷い企業は休日に診断を受ける
ように強要するところもあります。もちろん診断料も必用です。

今日あるテレビ番組で日本バス協会自体が問題のある組織
であるとか言っていましたが、小規模なバス会社は協会に
加入するとお金がもったいないので、加入していない企業も
規制緩和後のバス会社を中心に多数あるので、協会は
あまり関係ありません。

で、なぜバス会社はこうなってしまったのか?
ある番組で小泉内閣時の規制緩和が原因と言っていたそう
ですが、まずそこがすべてのはじまりだったことは否めません。
それまではバスのレンタカーを乗務員付で貸し出すという
行為が多々ありました。

平成元年、越前海岸の岩盤崩落事故で
乗客全員が死亡しました。
このバスが白色ナンバーのマイクロバスだったため
保険はおりませんでした。
白ナンバーのバスと緑ナンバーのバスの大きな違いは
事故を起こした場合の保障です。
規制緩和によってこれら白ナンバーは緑ナンバーとなり
レンタカーで営業運転する違法ケースは減りました。
しかし、これまで述べてきた通り、車両を数台しか保有
していないような規模では、乗務員の労働時間や点呼、
万一の事態に備えた予備運転手などの用意はできません。
もちろん、これらを満たしたからといって事故が減るか
どうかはわかりませんが、環境が整わないことは事実です。
もし、この規制緩和が価格競争を煽ったのであれば、
無知というしかありません。先日軽井沢で事故をおこした
バス会社が夜行スキーツアーを19万で受注したと言って
ましたが、あの値段から貸切バスは1970年頃から
ほとんど変わっていないことがわかります。

もし、国が環境を整えたいのであれば、平成の大合併のように
現在あるバス会社を統合して1営業所の車両台数25台以上
乗務員30名以上くらいの規模のみの認可制にするくらいに
しなければ、なしえないでしょう。そうすることによって中国人の
インバウンドツアーバスは白ナンバー化していくので、取り締まり
強化も必用です。地方創生や1億総活躍もそうですが、
思い切った策を出さなければ、現状は変わりません。